大企業と比べて財務体質の脆弱な中小企業にとっては、前回融資の完済前に追加融資を申し込むといったケースがしばしば出てきます。
では、この追加融資は、前回融資を受けてからどのくらいの期間が経ってから申し込むのがよいでしょうか。
一般には1年程度は空けるべきであるといわれていますが、実は、銀行内に、こうした明確な基準が設けられているわけではありません。
したがって、結論からいえば、いつでも良いということになります。
しかしながら、追加融資を申し込む時点では、前回融資によって、自己資本比率や債務償還年数、ギアリング比率などのスコアリングが下がっているのが通常です。
よって、一般に追加融資は前回融資より、困難になります。
さらに、スコアリングに応じて利率は変動しますので、場合によっては、追加融資は前回融資よりも不利な条件となってしまうこともあります。
また、前回融資につき、元金据置を受けており、いまだ元本返済が開始していない場合には、追加融資を受けることができません。
したがって、元本返済が開始してから融資の申し込みを行うか、借換を行うこととなります。
このほか、あまりに前回融資から追加融資申し込みまでの期間が短いと、会社の資金繰り計画が甘いと判断されても仕方ありません。
2回の申し込みを行うくらいであれば、しっかりと資金繰り計画を立て、1回の申し込みで必要金額の融資を受けることが得策です。
ポイント
・追加融資の申し込みはいつでもできるが、難易度は前回融資と比べて高い。 ・元金据置により、前回融資の元本返済が開始していない場合には、追加融資を受けることができない。 ・追加融資を申し込まずに済むよう、必要資金を綿密に計算し、あらかじめ借りておく。 |