銀行融資の資金使途⑦ 増加運転資金

増加運転資金とは

増加運転資金とは、主に、売上高の増加に伴って売上債権が増加することにより生ずる、経常運転資金の増加分をいいます。

つまり、増加運転資金も経常運転資金と同様、回収サイトよりも支払サイトが早いことにより生ずる資金需要です。

たとえば、

月中に商品の全てを売り上げる→月末に同量の商品仕入れを行う

という取引を、毎月繰り返している会社があるとします。

もし、この会社の売上が現金売上仕入が現金仕入であった場合(=回収サイトと支払サイトにずれがなかった場合)には、月中に受け取った売上代金の中から、月末の商品仕入を行うことができます。

しかしながら、この会社の売上が1ヶ月後回収の掛売上仕入が現金仕入であった場合(=回収サイトよりも支払サイトが早い場合)には、月末の商品仕入に要する代金を、売上代金の中から捻出することができません。

したがって、会社に現預金があればその現預金を取り崩し、現預金がなければ借入により、月末の仕入代金を捻出することとなります。

こうした、回収サイトよりも支払サイトが早いことにより生ずる資金需要を経常運転資金と呼びます。

そして、この経常運転資金は、会社の取引規模が大きくなるにつれて大きくなります(売上が増えるということは、仕入も増えます。また、仕入が増えるということは、売上代金以外から捻出しなければならない仕入代金も増えます)。

この経常運転資金の増加分を、特別に増加運転資金と呼ぶのです。

なお、増加運転資金への融資は、一般的には、返済期日1年以内・一括返済の手形貸付または商業手形割引という形で行われます。

増加運転資金の借り方

増加運転資金は、一般に、会社の取引規模が大きくなった時、すなわち会社の成長期において生ずる資金需要であるため、比較的融資を受けやすい資金需要であるということができます。

経常運転資金であれ、増加運転資金であれ、その資金需要は、回収サイトよりも支払サイトのずれにより生ずる資金需要です。

つまり、

売掛金の額−買掛金の額

で求めた金額が大きければ大きいほど、経常運転資金や増加運転資金は大きくなります。

会社の成長に伴い、上記の式で求めた金額が大きくなってきた時は、借入のチャンスです。

詳しくは、

をご参照ください。

増加運転資金への融資を申し込む際には、経常運転資金への融資の場合と同様、資金繰り表を作成し、増加した自社の売上債権の回収サイトと仕入債務の支払サイトのズレによって、いくらの資金需要が生ずるかを具体的に示すことが有効です。

また、銀行としては、売上債権が回収され、または棚卸資産が売り上げられることを前提として融資を行うわけですから、回収の見込みのない不良債権または売上の見込みのない不良在庫がないかについて確認がなされます。

したがって、あらかじめ自社でもこれらの有無を把握し、銀行に説明ができるようにしておきましょう。

なお、その他の資金使途(資金需要)について詳しく知りたい方は、

をご参照ください。