信用格付対策⑥ 保険積立金

節税や退職金の積立を目的とし、いわゆる半損保険に加入している会社は少なくありません。

半損保険とは、月々支払う保険料の半分が損金となり、残りの半分が保険積立金となる保険契約の形態です。

半損保険では、満期時または解約時に、返戻金として掛金に所定の割合(返戻率)を乗じた額が保険会社から支払われます。

この返戻率は、加入期間の経過によって逓増し、あるタイミングから、試算表に記載される保険積立金の額を、返戻金の額が上回るようになります。

つまり、この場合においては、返戻金の額と保険積立金の額との差額分の簿外資産が生じていることとなります。

格付(定量評価)は、決算書上の数値を用いて行われるため、決算書に表れない簿外資産については、加味されません。

しかしながら、半損保険は、高額かつ長期の契約となることが通常であり、結果、この簿外資産は高額となっているケースが少なくありません。

したがって、

「当社は、決算書上では債務超過に陥ってしまっていますが、保険積立金と現時点での解約返戻金との差額が簿外資産となっており、これを加味すると、実質資産超過となります。また、万が一返済が困難となりそうであれば、直ちに当該保険を解約し、返戻金をもって返済いたします。」

等、会社の側から、この簿外資産を考慮してもらえるよう働きかけることで、格付や債務者区分の向上が期待できます。

なお、弊社の支援事例にも、銀行に上記の説明を行い、赤字の会社が無事融資を調達した事例があります。

本来、決算書上に保険積立金勘定があれば、銀行が、格付や債務者区分にあたって会社に簿外資産の有無を確認すればよいのですが、残念ながらそうはなっていないのが現状です。