信用格付対策⑤ 節税

「節税もどき」をしていませんか

経営者の方にとって、最も大きな関心ごとの1つは、いかに税金を減らすか、すなわち節税でしょう。

これは、非対価性(税金には直接の反対給付がない)や強制性(税金は国民の財産を強制的に国家へ移転させる)といった税金の性質に起因するものであると思われます。

せっかく利益を出しても、その一部を対価もなく、強制的に、税金として徴収されてしまうのですから、税金を減らしたいという志向も無理からぬことではあります。

ただし、我が国の所得税・法人税において税額を減らすには、原則としてそれ以上の支出が必要となるという事実が看過されてはなりません。

これは、法人税は、利益に税率を乗じて計算するためです。

多くの中小企業の法人実効税率は30%程度です。

したがって、30,000円の税額を減らすには、30,000÷30%で、100,000円の経費を使い、利益を縮める必要があるのです。

つまり、多くの経営者の方が、30,000円の税額を減らすために100,000円支払っているのです。

実は、現状行われている多くの節税の実態は、こうした「節税もどき」なのです。

会社を設立したのは、何かを成し遂げるためであるはずです。

そして、それを成し遂げるためには会社を永続させ、成長させることが必要であるはずです。

会社が潰れるのは、会社の資金が枯渇したときです。

そして、会社が成長するのは、会社に資金が蓄積されたときです。

つまり、会社の資金を減らす「節税もどき」は、全くもって本末転倒なのです。

会社の資金は、

  • 税引後利益を増やす
  • 融資を受ける

の2つの方法でしか増加しません

「節税もどき」は今すぐやめましょう

会社の資金は、税引後利益が元となり、増加します。

したがって、可能な限りの利益を出し、30%の税金を支払い、70%の税引後利益を残すことが、現行税法のもとで会社を永続させ、成長させるための手段となるのです。

また、会社の資金は、融資を受けることによっても増加します。

しかしながら、税金を減らすために利益を縮めると、信用格付が下がり、融資を受けづらくなります。

一方で、税金を払って税引後利益を残せば、会社に資金が蓄積されるほか、信用格付が上がり、融資を受けやすくなります

節税は、投資の目的ではなく、結果でなければなりません。

綿密な事業計画に基づく不可欠な投資を行ったことで、利益が減少する、あるいは税額控除の適用を受ける結果として税額が減るというのが、正しい節税の在り方なのです。