しばしば、創業時に融資を受けた銀行のみと取引をしている会社を目にします。
しかしながら、その銀行が、今後もその会社に融資を続けてくれるという保証はどこにもありません。
一行取引を行なっている会社は、
①支店長等の異動 ②金融再編 |
等による貸し渋りのリスクに絶えず晒されているのです。
対して、複数行取引には、上記①及び②のリスクを軽減するというメリットのほか、銀行同士を競わせることで、利率の引き下げやプロパー融資等、会社にとってよりよい融資条件を提示させるきっかけとなるという効果があります。
このため、Divergentでは、最低でも3行程度との複数行取引をおすすめしています。
①支店長等の異動
銀行では2年から5年程度の周期で人事異動がありますが、特に、支店長の異動には注意が必要です。
融資審査における支店長の意見は、支店決裁案件であれば融資の可否を決定するものであり、本店決裁案件であっても融資の可否を決定する上で重視されるものです。
したがって、支店長が変わるということは、その支店の融資姿勢が変わるということと同義であり、場合によっては、これまで受けられていた融資が受けられなくなることすらあるのです。
②金融再編
銀行の合併があった場合、以降の融資審査は、合併銀行の基準で行われるのが一般的です。
このため、これまで付き合いのあった銀行が合併銀行であればよいのですが、被合併銀行であると、これまで受けられていた融資を受けられなくなったり、急に返済を迫られたりする場合があります。
考えただけでもおそろしいことですが、大合併時代と呼ばれた銀行の再編・統合ラッシュの中で、実際に起こったことなのです。