神奈川県の制度融資と横浜市の制度融資との比較
横浜市で創業融資を受ける場合、日本政策金融公庫の新創業融資制度のほか、神奈川県の制度融資「創業支援融資」または横浜市の制度融資「創業おうえん資金」を利用することができます。
下記が神奈川県の制度融資と横浜市の制度融資との比較です。
対象者
1ヶ月以内に個人事業主として、または2ヶ月以内に法人として、神奈川県内で開業する方や、神奈川県内で開業してから5年未満の中小企業は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」を利用することができます。
また、1ヶ月以内に個人事業主として、または2ヶ月以内に法人として、横浜市内で開業する方や、横浜市内で開業してから5年未満の中小企業は、横浜市の制度融資「創業おうえん資金」を利用することができます。
つまり、横浜市の制度融資「創業おうえん資金」を利用できる方は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」も利用することができることとなります。
資金使途
神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、設備資金及び運転資金の融資を行なっています。
融資限度額
融資の限度額は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、3500万円(状況により変動)となっています。
融資利率
融資の金利は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」では年利1.8%以内(創業特例を利用する場合には1.6%以内)、横浜市の制度融資「創業おうえん資金」では1.9%以内(支援創業関連保証に該当する場合等には、1.5%以内)となっています。
融資期間
融資期間は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、10年以内となっています。
据置期間
元金据置期間は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、12ヶ月以内となっています。
返済方法
返済方法は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、分割返済となっています。
担保・保証人
神奈川県の制度融資「創業支援融資」及び横浜市の制度融資「創業おうえん資金」ともに、担保は不要ですが、法人の場合には代表者保証が必要となっています。
補助内容
神奈川県の制度融資「創業支援融資」では、信用保証料の一部補助と、市町村により利子補給が受けられます。
また、横浜市の制度融資「創業おうえん資金」では、信用保証料の一部補助が受けられます。
申し込み手続き
横浜市の制度融資「創業おうえん資金」の申し込みには、計画書の作成にあたり市の指定するワンストップ経営相談窓口で相談を行うことが必要となります。
一方で、神奈川県の制度融資「創業支援融資」の申し込みにおいては、上記の相談は任意となっており、省略が可能(ただし、相談の上で計画書を作成すると、「創業特例」の対象となり、金利や信用保証料の補助割合が大きくなります。)です。
一般に、上記の相談は、2〜3回程度行う必要がありますので、少しでも早く制度融資を受けたい方は、神奈川県の制度融資「創業支援融資」を利用するとよいでしょう。
神奈川県の制度融資「創業支援融資」利用の流れ
神奈川県の制度融資「創業支援融資」利用の流れは次のとおりです。
創業支援融資の申込書類を金融機関に持ち込み融資を申し込む
↓
金融機関から信用保証協会の信用保証委託申込書等の交付を受ける
↓
信用保証委託申込書等を金融機関に提出する
↓
信用保証協会の現地調査・面談を受ける
↓
信用保証協会の保証審査・金融機関の融資審査を経て融資が実行される
横浜市の制度融資「創業おうえん資金」利用の流れ
横浜市の制度融資「創業おうえん資金」利用の流れは次のとおりです。
ワンストップ経営相談窓口で融資相談を行う
↓
横浜市から斡旋書の交付を受ける
↓
斡旋書を金融機関に持ち込み融資を申し込む
↓
金融機関から信用保証協会の信用保証委託申込書等の交付を受ける
↓
信用保証委託申込書等を金融機関に提出する
↓
信用保証協会の現地調査・面談を受ける
↓
信用保証協会の保証審査・金融機関の融資審査を経て融資が実行される
「創業支援融資」と「創業おうえん資金」との比較のまとめ
本記事でご紹介した神奈川県の制度融資「創業支援融資」と横浜市の制度融資「創業おうえん資金」との違いをまとめると、下図のとおりとなります。
どこの金融機関で制度融資の申し込みをすればよいのか−神奈川県の全地銀・信用金庫の預貸率ランキング
制度融資を含め、融資を申し込む際には、融資に熱心な金融機関を選ぶことが大切です。
銀行は、預金者から預かったお金を融資し、融資先から利息を受け取ることで成り立っています。
この、預かったお金の金額に占める、貸付けているお金の割合を、預貸率といいます。
つまり、預貸率が高い金融機関=融資に熱心な金融機関ということになります。
また、メガバンクや一部地銀については、創業者向けの融資に消極的な傾向があります。
このため、まずは預貸率の高い信用金庫で制度融資を受け、返済実績を積むことをおすすめします。
なお、下記が2019年3月末時点の神奈川県の全地銀・信用金庫の預貸率です。
神奈川県で制度融資をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
1位 神奈川銀行 82.47%
2位 横浜銀行 77.65% 3位 湘南信用金庫 59.46% 4位 川崎信用金庫 58.46% 5位 横浜信用金庫 56.31% 6位 かながわ信用金庫 49.23% 7位 さがみ信用金庫 44.15% 8位 平塚信用金庫 41.47% 9位 中栄信用金庫 40.63% 10位 中南信用金庫 26.52% (各地銀・信金のディスクロージャー誌に基づき、弊社が作成したもの) |
まとめ
いかがでしたでしょうか。
横浜市で創業する方が創業融資を受ける場合には、
- 日本政策金融公庫の創業融資単体
- 神奈川県の制度融資「創業支援融資」単体
- 横浜市の制度融資「創業おうえん資金」単体
- 日本政策金融公庫の創業融資+神奈川県の制度融資「創業支援融資」の併用
- 日本政策金融公庫の創業融資+横浜市の制度融資「創業おうえん資金」の併用
の5パターンがありますが、担保・保証人の要否や融資実行までのスピード、金利、調達可能額等、それぞれに異同がありますので、充分に検討を重ねた上で選択しましょう。
なお、本記事では、神奈川県の制度融資と横浜市の制度融資との違いについてご紹介してきましたが、日本政策金融公庫の新創業融資制度と制度融資との違いについては、
をご参照ください。
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