創業融資とは
創業融資とは、一般に、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」と創業者向けの制度融資とを指します。
なお、制度融資には、各都道府県の制度融資と各市区町村の制度融資との2種類があり、いずれかを選択して利用することができます。
これらの創業融資は、通常の融資よりも優遇されており、新創業融資制度については無担保・無保証で融資を受けることができ、制度融資については保証協会に支払う保証料や銀行に支払う利息の一部を地方公共団体に負担してもらうことができます。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」とは
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、創業者、すなわち、
- 新たに事業を始める法人または個人事業主
- 事業開始後税務申告を2期終えていない法人または個人事業主
が、無担保・無保証人で融資を受けられる優遇融資制度です。
通常、銀行から融資を受ける際には、代表者が会社の連帯保証人となることが求められます。
代表者が会社の連帯保証人となった状態で、会社が倒産等で返済不能に陥ると、代表者が会社に代わって返済を行わなければなりません。
しかしながら、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用すれば、代表者が会社の連帯保証人となることが求められませんので、もし会社が倒産等で返済不能に陥っても、代表者が会社に代わって返済を行う必要がないのです。
この無担保・無保証人という措置は、創業・起業・開業のリスクを大幅に軽減するものであり、実際に、日本政策金融公庫で創業融資を受けた方の9割以上が、新創業融資制度を利用しています。
詳しくは、
をご参照ください。
創業者向けの制度融資とは
制度融資とは、信用保証協会の保証を受けて民間銀行から融資を受ける、いわゆる保証協会付融資(マル保融資)のうち、各地方公共団体が、信用保証協会の保証料や銀行に支払う利息を補助してくれる融資制度をいいます。
制度融資には、創業者、すなわち、
- 創業後5年以内の法人または個人事業主
向けの融資制度があり、これを利用すると、信用保証協会に支払う信用保証料や銀行に支払う利息の全部または一部を、地方公共団体に補助してもらえます(補助内容は、各地方公共団体によって異なります)。
詳しくは、
をご参照ください。
創業融資を受ける場合の5つの選択肢
創業融資は、日本政策金融公庫の新創業融資制度と制度融資の両方に申し込むことができます。
また、制度融資は、各都道府県の制度融資と市区町村の制度融資とを選択して申し込むことができます。
したがって、創業融資を受ける場合には、次の5つの選択肢があることとなります。
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度単体
- 都道府県の制度融資単体
- 市区町村の制度融資単体
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度と都道府県の制度融資を併用
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度と市区町村の制度融資を併用
日本政策金融公庫の新創業融資制度、都道府県の制度融資、市区町村の制度融資には、それぞれ特有のメリット・デメリットがありますので、会社のニーズに合わせて選択しましょう。
日本政策金融公庫の新創業融資制度と制度融資との違い
担保・保証人の要否
日本政策金融公庫の新創業融資制度では、無担保・無保証人で融資を受けられるのに対し、制度融資では、代表者の連帯保証が必須となります。
着金までの期間の長短
日本政策金融公庫の新創業融資制度では、申し込みから3〜4週間、制度融資では、申し込みから1月半〜2月程度で、それぞれ着金となります。
「創業」の意義
日本政策金融公庫では、税務申告を2期終えていない者を創業者として取り扱う一方、制度融資では、創立後5年以内の者を創業者として取り扱います。
副業に対する融資の可否
会社員が副業として創業する場合、日本政策金融公庫では、融資を受けることが可能ですが、制度融資では、融資を受けることができません。
自己資金要件の有無
日本政策金融公庫の新創業融資制度には、事業開始後税務申告を1期終えていない者に対しては創業資金総額の10分の1以の自己資金を確認できることという要件がありますが、制度融資には、こうした自己資金に係る要件はありません。
設備資金の取扱い
借入に当たって見積書が必要な点は日本政策金融公庫も制度融資も同様ですが、制度融資については、融資資金の振込先口座から直接、見積り発行業者に見積書どおりの金額を振り込むことを要求されるケースや、後に領収書の提出を要求されるケースがあります。
一方で、日本政策金融公庫では、このような要求がなされることはありません。
レンタル・バーチャル・シェアオフィスを本店とした場合の評価
日本政策金融公庫では、本店登記地がレンタルオフィスやバーチャルオフィス、シェアオフィスであっても、営業の実態があれば、融資を受けることが可能です。
一方で、制度融資では、これらのオフィスを本店とすることは、審査上、ネガティブな評価となります。
都道府県の制度融資と市区町村の制度融資との違い
都道府県の制度融資と市区町村の制度融資とでは、利息の補助額、信用保証料の補助額が異なります。
このほか、市区町村の制度融資は、各市区町村の専門の相談員と複数回の面談を行い、その斡旋を受けなくては申し込むことができない一方、都道府県の制度融資はこの相談・斡旋が不要という違いがあります。
したがって、都道府県の制度融資の方が、市区町村の制度融資よりも資金調達に要する期間が短くなります。
創業融資を受けない選択肢はない
日本政策金融公庫の新創業融資制度や創業者向けの制度融資は、上記のとおり、通常の融資制度よりも優遇された条件で利用することができます。
現在、起業・創業数を増加させ、開業率が廃業率を上回るようにするという方針が2013年6月に閣議決定されたのを受け、各銀行が創業者への融資に注力し始めています。
起業・創業数が増えるということは、競合が増えるということと同義です。
起業・創業を目指す方は、起業・創業前に時間をかけて事業資金を貯めることではなく、創業融資により事業資金を獲得し、いち早く市場へ進出することが必要です。
その他の創業融資利用のメリットについては、
をご参照ください。
創業融資をご検討中の方へ
創業融資を受けるためには、創業計画書の作成等、入念な準備が必要です。
詳しくは、
をご参照ください。
なお、弊社の創業融資サポートプランは、日本政策金融公庫の新創業融資制度のほか、各地方公共団体の制度融資にも完全対応しています。
創業融資をご検討中の方は、ぜひ弊社の無料相談をご利用ください。