資金繰りの改善方法

①リースの活用

事業上、固定資産が必要となった場合には、購入する前にリースの利用を検討しましょう。

固定資産を購入する場合には、多額の資金を要しますが、リースの場合には、毎月のリース料のみで済みます。

リース期間を通して支払うリース料の総額は、その固定資産を購入した場合よりも大きくなることが一般的ですが、一時に多額のキャッシュアウトをしなくて良いというリースのメリットは魅力的です。

 

②リースバックの活用

固定資産が必要となった場合には、まずリースの利用を検討しますが、既に固定資産を購入してしまっている場合には、リースバック(セール・アンド・リースバック)の利用を検討します。

リースバックとは、会社の保有する固定資産を一旦売却し、買主にリース料を支払いその資産を使い続ける方式をいいます。

リースバックには、固定資産の所有権が買主に移転してしまうこと、売却価格が相場よりも安くなることが一般的であること等のデメリットはありますが、手元資金が増加するというメリットは魅力的です。

 

③法人カードの活用

クレジットカードの支払期日は、概ね締め日から1月程度です。

つまり、クレジットカードの利用により、支払いを1月先に繰り延べることができるのです。

取引先への支払い、消耗品の購入等、クレジットカード払いにできるものがないか、洗い出してみましょう。

 

④買掛取引の見直し

買掛金につき、取引先との交渉で支払期日を遅らせることができれば、資金繰りが改善します。

また、支払期日の変更に応じてもらえない場合には、締め日を早めてもらうことでも資金繰りは改善します。

例えば、月末締めの翌月末払いから、20日締めの翌月末払いに締め日を変更できれば、21日から月末までの仕入費用を、ひと月遅く支払うことができます。

もちろん、支払期日を遅らせ、締め日を早められれば、資金繰りの改善効果はより大きくなります。

 

⑤売掛取引の見直し

売掛金につき、取引先との交渉で入金期日を早めることができれば、資金繰りが改善します。

また、入金期日の変更に応じてもらえない場合には、締め日を遅めてもらうことでも資金繰りは改善します。

例えば、20日締めの翌月末入金から、月末締めの翌月末入金に締め日を変更できれば、21日から月末までの売上代金を、ひと月早く回収することができます。

もちろん、入金期日を早め、締め日を遅らせることができれば、資金繰りの改善効果はより大きくなります。

 

⑥ABLの活用

売掛金の入金期日または締め日の変更に応じてもらえない場合には、売掛金を担保に銀行から融資を受ける(ABL、動産・債権担保融資)という選択も検討しましょう。

別途、保証料等の支払いが必要となりますが、売掛金の回収サイトが長い場合には、大きく資金繰りが改善されます。

 

⑦ファクタリングの活用

売掛金の入金期日または締め日の変更に応じてもらえず、さらにABLの利用も困難である場合には、ファクタリング会社への売掛金の売却(ファクタリング)という選択も検討しましょう。

ファクタリングには、ABLよりも審査が緩いというメリットがありますが、ABLとは異なり、取引先にファクタリングを行なった事実が知られてしまう、すなわち会社の資金繰りが苦しいことが知られてしまうというデメリットもあります。

このため、喫緊の資金需要がある場合を除き、まずファクタリングの前にABLの利用を検討することをお勧めします。

 

⑧手形割引の活用

売上につき受け取った受取手形の決済期日までの資金繰りに困った場合には、手形割引(商業手形割引)の利用を検討しましょう。

商業手形割引とは、受取手形を、手数料を支払って銀行に売却することで資金を調達する形式をいいます。

商業手形割引は、実質的には、手形を担保として融資を受けたのと同様の効果がありますが、他の融資形式よりも比較的審査が緩やかであるというメリットがあります。

 

⑨短期継続融資の活用

売掛金の回収サイトが長く、買掛金の支払いサイトが短い場合には、どうしても資金繰りが苦しくなりがちです。

こうした資金需要を、経常運転資金といいます。

この経常運転資金の調達には、短期継続融資(短コロ、コロガシ)を検討しましょう。

短期継続融資は、契約期間が1年以内の手形貸付を指し、金融庁の指導により、今後増加が見込まれる融資方法です。

短期継続融資は、原則として会社が事業を継続する限り、期日において新たに同額の融資を受けることができる(手形の書換)ため、実質的に、利息のみを支払い、元本は借りたままとなります。

 

⑩当座貸越の活用

当座貸越とは、あらかじめ融資を受けられる限度額(=極度額)を設定し、その限度額の範囲で、いつでも自由に融資を受け、あるいは返済をすることができる形式をいいます。

最も審査の厳しい融資形式ですが、当座貸越を利用できることとなれば、資金繰りは劇的に改善します。

 

⑪給与支給日の見直し

給与の支給日を会社設立時になんとなく設定してしまい、そのまま見直しをしていない場合は少なくありません。

給与の支払いは、会社にとって大きな支出ですので、可能な限り資金が潤沢にある時に支払うことで資金繰りが改善されます。

具体的には、例えば売掛金の入金期日が月末であれば、給与は5日支給に設定する等が考えられます。

 

⑫リスケを受ける

資金繰りが苦しくなり、借入金の返済が困難となった場合には、リスケ(リスケジュール)を検討しましょう。

リスケとは、借入金の返済条件の変更、具体的には元本返済の猶予をいいます。

リスケを受ければ、返済に充てるはずであった資金を、事業の立て直しに充てることができます。

リスケを受けるには、銀行の承諾を得る必要がありますが、経営改善計画を策定し、交渉に臨めば、断られることはまずありません。

なお、リスケを受けると、追加融資を受けづらくなる場合がありますが、しっかりと対策を練ればその程度を最小限に抑えることができます。

 

⑬在庫の見直し

在庫を抱える会社は、在庫が過剰となっていないかを見直すことも、資金繰りの改善に有効です。

在庫は、キャッシュによって購入しますが、販売を経て初めて再びキャッシュ化します。

したがって、過剰な在庫を抱えることは、会社の資金繰りを圧迫するのです。

また、過剰な在庫は倉庫代や人件費等、その保管にも多くのキャッシュを必要とします。

ただし、在庫の不足は、販売機会損失にもつながります。

主な在庫発注方法としては、在庫がある量を下回った場合に一定の量を発注する定量発注方式と、ある量を安全な在庫量として設定しその量に達するまでの量を定期的に発注する定期発注方式とが挙げられます。

不足することなく、過剰となることのない適切な在庫量を保有できる方法を確立しましょう。

 

⑭無借金経営を目指さない

借金を悪、無借金経営を正義と捉える経営者は少なくありません。

ただし、本当の悪は打つべき手を打たずに会社を潰すことであり、打つべき手としての借金は正義であると捉えるべきなのです。

借金を悪と捉えてしまう一つの要因として、利息の支払いが挙げられます。

しかしながら、有事の際に使うことのできる資金が確保できるというメリットは、会社の存続にとって何より得がたいものです。

節税目的で代表者の不要な生命保険料を支払うくらいであれば、会社の生命保険料として喜んで利息を支払いましょう。