西武信用金庫が2019年3月期において預貸率全国1位を獲得
西武信用金庫(東京都)の預貸率が2019年3月期において、全国259信金中1位の81.51%を記録しました。
これは、2位の東京信用金庫(東京都)の69.93%、3位の奄美大島信用金庫(鹿児島)の68.77%を大きく上回る数値です。
また、同期における西武信用金庫の総資産額は、全信金中12位の2,612,641百万円(1位は京都中央信用金庫の5,482,705百万円)となっています。
西武信用金庫は、名実ともに我が国中小企業の金融を支える信用金庫の雄といえるでしょう。
預貸率は、融資への積極姿勢を表す数値
預貸率とは、銀行の預金残高に占める貸出し(融資)残高の比率をいいます。
したがって、預貸率が高い銀行であればあるほど、融資に積極的な銀行であるということができます。
西武信用金庫をメインバンクとする会社は4,332社
メインバンクとは、ある会社が、その取引銀行のうち、最も多額の融資を受けている銀行をいいます。
東京商工リサーチが全国152万3938社を対象に行った調査によれば、2019年において西武信用金庫をメインバンクとする会社は、全信金中19位の4,332社(1位は京都中央信用金庫の8,064社)となっています。
「取引銀行選び」という中小企業の課題
口座開設にあたり、「とりあえずメガバンク」という経営者は少なくありません。
しかしながら、大企業と比して財政基盤の脆弱な中小企業にとっては、「今後融資を受けられる銀行」という視点で、口座開設先を選ぶ必要があります。
メガバンクでは、今日、優良融資先の囲い込みを狙った中小企業に対する融資への取り組みが目立ちつつあるものの、依然として数百万円単位の小規模融資には消極的であるといえます。
一方で、信用金庫や地方銀行は、地域密着を旨としており、上記のような小規模融資にも積極的に取り組む傾向があります。
利便性やブランド力といった観点からメガバンクを選ぶことそれ自体を否定するものではありませんが、あくまでもフェーズに応じた口座開設先選びが重要です。
具体的には、年商が1億円に満たない中小企業は、相対的に預貸率の高い信用金庫または地方銀行を選ぶと良いでしょう。
その意味で、西武信用金庫は、東京都に所在する多くの中小企業にとって、最適な口座開設先といえるのです。
補遺
ただし、西武信用金庫の融資姿勢については、今般の不正融資問題とこれに係る金融庁の立入検査の影響が懸念されるところです。
弊社においても、某支店の融資担当者から、
「しばらく新規取引については慎重とならざるを得ません」
との情報を得ています。
弊社では、東京都に所在する中小企業には、「まずは西武信用金庫との取引を」との提案を続けてきており、なおもこれは変わるものではありませんが、今後の動向は注視せねばならないでしょう。