資金調達の現場レポート⑨ 創業融資獲得直後の高額追加融資

本案件の概要

下記の案件につき、社長と信用金庫担当者との面談に同席することとなりました。

  • 資金使途  設備資金及び運転資金。
  • 会社概要  創業後1期目。飲食事業。
  • 融資申込先 都内信用金庫。
  • その他   日本政策金融公庫創業融資を受けてから半年以内。

本案件のポイント

この会社は、日本政策金融公庫から創業融資(新創業融資制度)を受けた直後の会社でした。

一般に、融資を受けた直後の追加融資は、

  • 前回融資(借入金=負債の増加)により、格付が低下している
  • 資金繰り計画の策定が甘いと判断される

こと等から、否決の可能性が高くなります

加えて、この会社は、創業直後で支出が多い一方、売上が思うように確保できていないことから、債務超過に陥っていました

このように、本案件は厳しい条件が揃っていましたが、平成30年4月に創業支援関連保証が拡充されたこともあり、勝算はあると判断しました。

本案件の攻め口

上記により、

  • ① 債務超過は、創業直後の認知度不足に伴うもので、当初の想定の範囲内であること
  • ② 今回の融資の資金使途は①の債務超過の解消を企図したものであり、前回融資の資金使途とは性質の異なるものであること
  • ③ 今回の融資により、債務超過は第2期には解消される見込みであること

を、創業融資申込み時に日本政策金融公庫に提出した資金繰り表及び今回の融資を受けた後から債務超過解消に至るまでの資金繰り表を提出し、説明することとしました。

本案件の結果

満額可決

(東京都制度融資。)

本案件のまとめ

平成30年4月の信用補完制度の見直しにより、創業支援関連保証が拡充されました。

具体的には、信用保証協会の保証割合(融資先が返済不能に陥った場合に、当該融資先に代わって信用保証協会が銀行に融資残高の返済を行う金額が、当該融資残高全体に占める割合)が100%となる融資額の上限が、1000万円から2000万円に拡充されました。

つまり、銀行にとって、より高額の融資を創業者に行いやすくなったのです。

なお、ここでいう創業者は、日本政策金融公庫の定義する創業者(創業後税務申告を2期行なっていない方)とは異なり、創業後5年未満の方を指します。

今回の融資は、1000万円以上、2000万円未満のものでしたので、まさにこの拡充の恩恵にあずかった格好です。

ただし、やはり、追加融資が当初の融資よりも困難なものであることは間違いありません

追加融資が不要となるように、しっかりと将来の資金需要を洗い出し、必要十分な額を創業融資で調達しておくことが原則です。

本案件に関連する記事

追加融資申し込みのタイミング

格付対策② 債務超過

銀行の融資審査の仕組み⑤ 信用補完制度の見直し