資金調達の現場レポート⑤ 資金使途が広告宣伝費のみの会社の高額創業融資

本案件の概要

下記の案件につき、創業融資申し込みのサポートを行うこととなりました。

  • 資金使途  運転資金。
  • 会社概要  設立前。Web関連事業。
  • 融資申込先 日本政策金融公庫
  • その他   資金使途が広告宣伝費のみ。本店登記地がレンタルオフィス。

 

 

本案件のポイント

この会社は、日本政策金融公庫への創業融資の申し込みをご希望でしたが、資金使途の100%が広告宣伝費という点が目に留まりました。

広告宣伝費は、仕入や地代家賃のように創業に必須の費用とは言い難く、かつ投資した金額が直接収益に結びつく確度が高いとは言い難いことから、融資実行にあたり減額の対象となりやすい費目です。

 

また、融資の希望金額も、日本政策金融公庫が公表している創業融資の平均金額や、自己資金の3倍に相当する金額を超過するものでした。

本来であれば、減額での融資実行となる可能性の濃厚な案件です。

 

ただし、最初にお会いした際に、既にこの会社は過去にお目にかかったことのないほど精緻な事業計画を作成しており、かつこの計画の達成は、創業メンバーの豊富な斯業経験により充分に担保されていると感じました。

 

本案件の攻め口

上記により、

  • ① 創業メンバーがそれぞれ本事業計画の達成に充分な斯業経験を有していること
  • ② 広告宣伝費は、①の斯業経験に基づき導出された、根拠のある金額であること
  • ③ 広告宣伝費が収益につながらなかった場合においてもセカンドプランの用意があり、返済能力に問題が生ずる可能性が低いこと

等を、日本政策金融公庫に電話で説明しました。

 

本案件の結果

満額可決

新創業融資制度女性、若者/シニア起業家支援資金

 

本案件のまとめ

広告宣伝費は、人件費と並び、融資実行にあたり減額の対象となりやすい費目です。

ただし、本来、資金使途は事業の遂行に必要な資金であるはずであり、その限りにおいては、費目ごとの取り扱いは等しくあるべきです。

いかに、これが同種・同規模の会社と比して、高額であっても同様です。

したがって、問題は、これが事業に必要な資金であるということを、いかに日本政策金融公庫にご理解いただくかということでした。

 

この点、創業メンバーの斯業経験の豊富さと、これに裏打ちされた精緻な事業計画書が、その資金の必要性の根拠となることを示す案件でした。

 

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