短期継続融資(短コロ、コロガシ)とは

短期継続融資の概要

短期継続融資は、短コロ、またはコロガシなどとも呼ばれ、期日における手形の書換を前提とした契約期間が1年以内の短期の手形貸付を指します。

短期継続融資は、上記のとおり、契約上は、期日一括返済を条件とした1年以内の短期の手形貸付ですが、原則として、会社が事業を継続している限りは、その期日において新たに同額の融資を受けられる(手形の書換、といいます。)ため、実質は、利息のみを支払い、元本は借りたままとなります。

今日、「日本型金融」からの脱却を期すベく、金融庁主導で、銀行による事業性評価に基づく円滑な資金供給が推進されていますが、短期継続融資は、この一環として期待されるものです。

「日本型金融」についての詳細は、「融資審査の仕組み④ 事業性評価」をご参照ください。

短期継続融資の衰退

1990年代前半まで、短期継続融資は、経常運転資金への融資形態として、広く用いられてきた手法でしたが、金融検査マニュアルにおいて、

正常運転資金(=経常運転資金)を超える部分は不良債権に当たるかどうかの検証が必要

との考えが示されたことで、以降は衰退の一途を辿りました。

すなわち、金融検査マニュアルにより、貸出金の返済能力のない会社に、経常運転資金を超える部分まで短期継続融資の書換を行なっていることは、実質的に返済を猶予しているのと同様である(=当該超える部分は貸出条件緩和債権に該当する)として、銀行は引当金の計上を求められることとなった結果、これを過剰に怖れた銀行が、経常運転資金の範囲内での融資であっても、証書貸付等で対応するケースが増加したのです。

しかしながら、経常運転資金は、売掛金等の回収サイトと買掛金等の支払サイトとのズレにより生ずる資金需要であり、それゆえ、会社が事業を継続する限り恒常的に生ずる資金需要です。

経常運転資金につき、約定弁済の必要な証書貸付等で融資を受ければ、回収した売却代金は返済に回さざるを得ず、結局、次の仕入代金の支払いに支障をきたしてしまいます

したがって、本来、経常運転資金は、元本返済が不要である短期継続融資により供給、あるいは調達がなされるべき資金需要なのです。

短期継続融資の活用による望ましい融資のあり方

短期継続融資の再興

かくして、金融庁は、平成27年1月、金融検査マニュアルの一部改正にあたり、

  • 正常運転資金(=経常運転資金)に対して、「短期継続融資」で対応することは何ら問題ない
  • 「短期継続融資」は、無担保、無保証の短期融資で債務者の資金ニーズに応需し、書換え時には、債務者の業況や実態を適切に把握してその継続の是非を判断するため、銀行が目利き力を発揮するための融資の一手法となり得る

といった趣旨を明確化するにいたりました。

さらに、平成28年9月に公表された金融仲介機能のベンチマークの選択ベンチマークにおいては、

  • 運転資金に占める短期融資の割合

が掲げられました。

金融仲介機能のベンチマークは、金融仲介機能の改善に資することが期待されるものです。

つまり、金融庁は、短期継続融資は、会社にとって経常運転資金をはじめとする運転資金への円滑な資金調達の手法となるほか、銀行にとっては金融仲介の質の向上(手形書換の審査における融資先の実態の自発的な把握による、目利き力の向上)の手法ともなると位置づけ、その促進に踏み切ったのです。

短期継続融資の介在による企業と金融機関との関係

(金融庁「円滑な資金供給の促進に向けて」より抜粋)

こうした影響もあり、今日では、この「運転資金に占める短期融資の割合」を選択ベンチマークとした銀行を筆頭に、再び短期継続融資へ注力する銀行が逓増しています

短期継続融資の受け方

とはいえ、銀行にとって、手形書換の都度、融資先の事業性等の審査の必要な短期継続融資は、負担が大きいものです。

したがって、会社側からあらかじめ審査に要する資料を提出し、銀行の負担を軽減させることで、短期継続融資を受けやすい状況を作っていく必要があります。

具体的には、融資申込日から1年分の資金繰り表を提出し、

  • 回収サイトと支払サイトのズレの資金繰りにもたらす影響を示す
  • 回収により、返済財源が確保できることを示す

ことが有効です。

ポイント

・元本返済の不要な短期継続融資は、経常運転資金調達に適した融資形式である。

・金融庁の主導のもと、今後、短期継続融資は増加する。

・短期継続融資を受けるには、資金繰り表の提出が有効である。