格付対策② 債務超過

債務超過とは、債務の部が資産の部を超過している、すなわち純資産の部がマイナスとなっている状態をいいます

債務超過に陥っている会社は、信用格付の如何を問わず、自己査定(銀行が、融資先につき、債務者区分を行うこと)上は財務内容に問題があると判断され、要管理先以下の債務者区分となる可能性が高くなります。

しかしながら、金融検査マニュアルにおいては、中小・零細企業等の債務者区分については、その特性を踏まえて判断する必要があるとされており、具体例として、

  • 債務超過等によって要注意先以下に相当すると考えられる会社につき、代表者からの借入金を自己資本とみなすことにより、実質的な資産超過額となることから、正常先と判断して差し支えないとした事例
  • 債務超過等によって破綻懸念先以下に相当すると考えられる会社につき、代表者の個人資産等の価額が債務超過額相当額を上回っており、当該資産から返済を続けられると認められることから、要注意先となると判断して差し支えないとした事例
  • 債務超過等によって破綻懸念先に相当すると考えられる会社につき、技術力等が充分な潜在能力、競争力を有し、今後の事業の継続性や収益性に懸念がないと考えられることから、要注意先となると判断して差し支えないとした事例

等の事例が掲げられています。

つまり、債務超過に陥った会社が、銀行の融資を受けたい場合には、代表者等の会社に対する経済的支援の意思や会社の技術力等の潜在力や競争力等により、返済能力や今後の事業の継続性等に懸念がないことを説明できればよいということになります。

なお、最初の事例のように、代表者からの借入金が自己資本とみなされるには、その借入金が相当期間返済の必要のないものであることが条件となります。

相当期間返済の必要のない代表者からの借入金がある場合には、役員長期借入金等の勘定科目を用いて、他の借入金と区別し、かつ銀行にその旨を説明することで、自己資本としてみなしてもらいましょう

ただし、上記のような取り扱いがあるとしても、一般に、債務超過は赤字の積み重ねによって生ずることから、赤字以上に深刻な状況であるといえます。

債務超過に陥った場合には、資本性借入金(資本性ローン)の活用、増資、会社に対する役員の債権放棄、DES等により、一刻も早く解消を図りましょう