取引銀行の選び方② メガバンク・地銀・信金

金融機関は大きく分けて3種類ある

金融機関は、大きく分けて、メガバンク地方銀行信用金庫・信用組合の3つに区分されます(信用金庫・信用組合は銀行でありませんが、本ページでは、信用金庫・信用組合も含めた総称として「銀行」としています。)が、それぞれターゲットとしている会社や融資の規模が異なります。

したがって、銀行は、会社のフェーズに応じて、戦略的に選定する必要があります。

次に、それぞれの銀行の概要を列挙しますが、基本的には会社の売上規模に応じて使い分けましょう。

しばしば、創業間もない段階で、メガバンクとの取引を目指す方がいますが、まずは信用金庫・信用組合、地方銀行から取引をはじめ、メガバンクとの取引は年間売上高が5億円を超えたあたりで考え始めるとよいでしょう。

地銀以下の銀行は、金融庁公表の「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」に基づき地域の中小企業再生や地域経済の活性化への取り組み、かつ、その結果を数値として記録する必要がありますが、メガバンクはこの指針の対象外となっています。

近年では、メガバンクも、低利息での既存借入の一本化を提案したり、積極的に中小企業の優良融資先を地銀以下の銀行から奪おうとする傾向が見られるようになってきていますが、大前提として、地銀以下の銀行とは異なり、メガバンクにはリスクを承知で中小・零細企業へ融資を行う必要がないのです。

メガバンク

三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行の3行を指します。

首都圏や、関西圏、地方都市では県庁所在地等を中心に、全国展開されています。

規模が大きく、資金が豊富であるため、1億円を超えるような融資先を探しており、優良企業に対してはプロパー・低利息・迅速・多額という好条件の融資を積極的に行っている反面、利益の小さい少額融資や信用の乏しい零細企業への融資には消極的です。

また、融資審査上、格付によるスコアリングを重視する傾向があります。

メガバンクでは、極端な例では融資担当者1人当たりの担当件数が200件を超えることもあることから、画一的に会社の評価ができる定量要因を重視しており、およそ定量要因90%、定性要因10%で評価するといわれています。

近年、メガバンクが従来の融資先と比べて小規模な会社へ保証協会付融資を行うケースも見受けられますが、実績の乏しい会社については、まず地方銀行や信用金庫などと取引をすることとなるでしょう。

地方銀行

第一地方銀行と第二地方銀行に大別され、その名のとおり、本店所在地の都道府県を中心に、地域に根ざして展開しています。

第一地方銀行と第二地方銀行の違いですが、前者が従来から株式会社の形態で営業されてきたものであるのに対し、後者は相互銀行として営業されてきたものが株式会社化したものであるという点、前者が比較的歴史が長く規模が大きいのに対し、後者は上記のような経緯から前者より規模が小さい傾向にある点が挙げられます。

取引先として第一地方銀行と第二地方銀行のいずれを選択すべきかについてですが、たとえば、これらが合併した場合を考えれば、規模が大きく合併法人となりやすい第一地方銀行が有利といえます。

一方で、第二地方銀行は、規模や歴史の違いから地方企業のメインバンクとしての地位を確立している第一地方銀行から優良企業を奪いたいと考えているはずですから、うまく利用すれば第一地方銀行より好条件での融資を獲得することができるでしょう。

しかしながら、いずれも各第一地方銀行、第二地方銀行によって事情はまちまちですので、どちらが有利かという点にあまりシビアになる必要はないと思われます。

むしろ、拠点とする都道府県では融資額が伸びない地方銀行が、融資先を求めて他の地方に支店を出していますので、そうした支店を狙うことに注力してください。

融資に対して積極的なことが多いでしょう。

なお、融資可能な金額はメガバンクより小さくなりますが、その分、地方銀行は少額案件についても積極的に対応してくれます。

ただし、メガバンクほどの規模や資金がないことから、保証協会付融資がメインとなっており、プロパー融資の場合でも標準金利がメガバンクより0.5%程度高い傾向にあります。

信用金庫・信用組合

どちらも、非営利の協同組織金融機関で、融資取引は会員(信用組合の場合は組合員。以下同じ。)のみとなっています。

この会員となる要件に、従業員数・資本金額の上限が定められているため、一定規模以上の会社については、信用金庫・信用組合から融資を受けることはできません

したがって、零細企業や個人事業主が主な取引先となっています。

また、信用金庫・信用組合は、地方銀行よりもさらに地域密着型であり、対応エリアが狭いことから、担当者が定期的に会社を訪問してくれるなど、より会社に寄り添ったサービスが受けられることが特徴です。

このことから、メガバンクと比して、格付上の定性要因の比重が高く定量要因60〜70%、定性要因30〜40%で評価するといわれています。

また、株主の利益が重要視される銀行と異なり、信用金庫・信用組合は、担当地域の会員の利益を重視することから、貸付先の業績悪化に伴う貸し剥がしなどは行われにくい傾向にあります。

都市圏の一部の信用金庫を除き、やはりメガバンクほどの規模や資金がないことから、あまり高額の融資は期待できず、また、はじめは保証協会付融資となることが多いですが、信用金庫は創業間もない企業などにとっては最も利用しやすい金融機関であるといえます。

なお、プロパー融資の場合の標準金利はメガバンクより1%程度、地方銀行より0.5%程度高い傾向にあります。