本店登記地をどこにするかは、創業者の悩みの1つではないでしょうか。
本店登記地は、家賃の金額やアクセスの利便性等のほか、創業融資審査や口座開設への影響も加味して検討しましょう。
日本政策金融公庫審査への影響
本店登記地がレンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスであっても、そこで事業が行われているという実態が確認できれば、日本政策金融公庫で融資を受けることは可能です。
制度融資審査への影響
一方で、制度融資等、信用保証協会を通じて銀行から融資を受ける場合には、本店所在地がレンタルオフィスやバーチャルオフィスであるとたちまち厳しくなります。
建前上、たとえばレンタルオフィスでも、
- 事業の特性上、レンタルオフィスでも経営に支障がない
- 機密情報のやり取りができる程度のプライバシーが保てる程度に間仕切りがされている
等の事実があれば、融資を受けることは可能ですが、審査上、マイナス評価となることは間違いありません。
口座開設への影響
最近ではかなり柔軟になってきている印象がありますが、レンタルオフィス等を本店所在地とすると、銀行での口座開設が困難となる場合があります。
実際に、レンタルオフィスを本店登記地としたはよいものの、最寄りの銀行に口座開設を拒否され、他の銀行を何件も回り、ようやく開設手続きにこぎつけたという事例がありました。
無事、満額の創業融資を受けることができましたが、営業開始は著しく遅れてしまいました。
創業時のキャッシュアウトをなるべく抑えたいというのは当然ですが、本店所在地をバーチャルオフィス等にする場合には、そのオフィスの利用者でも口座開設ができているかどうかを、あらかじめオフィスの方に確認することをおすすめします。