資金調達の現場レポート⑦ 売掛金が大きい会社の短期継続融資

本案件の概要

下記の案件につき、通常融資申し込みのサポートを行うこととなりました。

なお、本案件の会社は、第4期においても弊社で融資のサポートをさせていただいた会社です。

  • 資金使途  経常運転資金
  • 会社概要  創業5期目。企画、脚本制作業。
  • 融資申込先 都内信用金庫。
  • その他   売掛金の回収サイトが長く、資金繰りを圧迫している。

 

本案件のポイント

この会社は、買掛金の支払サイトが1月であるのに対し、売掛金の回収サイトが2〜3月と長く、経常運転資の需要がありました。

しかしながら、この会社は、前期に今回融資の申し込みを行う信用金庫から融資を受けており、返済が開始したばかりの状態でした。

ただし、前期の融資は、前々期の赤字を受けて経営改善を企図した、人材採用のための原資であり、今回申し込みを行う融資とは性質を異にするものでした。

そして、この会社は、前期、この融資により計画どおりの黒字回復を果たしていました。

 

本案件の攻め口

上記により、

  • ① 今回の資金需要は、前期以降の経営回復に伴い増加した売掛金が原因である経常運転資金であること
  • ② 本件経常運転資金の需要の発生原因となっている売掛金の請求先は貸倒リスクの僅少な大企業であること

を銀行に説明した上で、

  • ③ ほとんどの売掛金の回収サイトが2〜3月であること
  • ④ 経常運転資金はその性質上、当然に、常時その需要が生ずることから、証書貸付ではなく短期継続融資で対応してもらいたいこと

資金繰り表を用いて銀行に主張することとしました。

 

本案件の結果

満額可決

短期継続融資

 

本案件のまとめ

経常運転資金は、売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトとのズレにより生ずる資金需要であり、会社が継続する限り、半永久的に生ずる資金需要です。

このため、証書貸付のように、時の経過とともに元本返済が行われ、事業資金が逓減してしまう融資形式は、経常運転資金に対する資金調達方法として適していません

本案件においても、銀行の担当者からは、手形の書換に要する労力を理由として、証書貸付を勧められましたが、上記の理由から、根気強く短期継続融による支援をお願いしました。

 

なお、本案件の交渉時においては、担当者から、将来的には当座貸越も視野に入れて支援を継続していただける旨の発言がありました。

当座貸越は、会社にとって最も利便性の高い融資形式である一方で、銀行にとって最もリスクの大きな融資形式です。

それゆえ、銀行の側から当座貸越を提案することは滅多にありません

是非、この会社には短期継続融資により着実に借入・返済の実績を重ね、当座貸越を勝ち取ってもらいたいと思います。

 

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