資金調達の現場レポート⑥ 赤字の会社の通常融資

本案件の概要

下記の案件につき、通常融資申し込みのサポートを行うこととなりました。

  • 資金使途  経常運転資金
  • 会社概要  創業4期目。企画、脚本制作業。
  • 融資申込先 都内信用金庫。
  • その他   外注費が大きく、売上総利益の大部分を占める結果、第3期決算において創業後初の赤字を計上した。

本案件のポイント

この会社は、社長が営業に長けていることから受注は多いものの、受注にマンパワーが追いつかず外注に頼らざるを得なかった結果、第3期決算において創業後初の赤字を計上していました。

この影響で、会社の現預金残高は固定費の1ヶ月分にまで減少しており、一刻も早く経営改善及び資金調達に着手する必要がありました。

ヒアリングの結果、この会社には、役員が節税目的で加入した生命保険があったこと第1期目及び第2期目は黒字決算であったこと等から、第3期の赤字決算直後に融資の申し込みをすることとしました。

本案件の攻め口

上記により、

  • ① 第3期の赤字は、もっぱら受注の増加に対するマンパワーの不足による外注費増大(=変動費増大)によるものであること
  • ② ①の根拠として、固定費は第2期以前から増加しておらず、売上はむしろ増加していること

から、第3期目の赤字は一過性のものであることを銀行に主張した上で、

  • ③ 現時点での生命保険の解約返戻金は、貸借対照表に記載されている保険積立金を超過している結果、当該超過分が簿外資産となっており、当該超過分は直ちに当該生命保険を解約することにより雑収入として利益を構成すること
  • ④ 融資を受けた資金で従業員を新規雇用し、外注費を削減する(=変動費の固定費化)こと

により、第4期において黒字転換する見込みであることを資金繰り表を用いて銀行に説明することとしました。

本案件の結果

満額可決

(信用保証協会付きの証書貸付

本案件のまとめ

赤字の会社は、銀行の行う自己査定上、業況が低調と判断され、要注意先以下の区分となる可能性が高くなります。

要注意先以下の区分となると、銀行から融資を受けることは困難となってしまいます。

このため、黒字となるまで融資の申し込みを控える会社も少なくありません。

しかしながら、赤字となったとしても、その赤字の原因が一過性のものであり、短期間に黒字化することが確実と見込まれる会社については、引き続き正常先として扱ってもらえます

本案件のように、赤字となった原因を明らかにし、この原因に対する具体的な対策を立て、この対策により赤字が速やかに解消されることを数字により説明できれば、融資を受けることは可能なのです。

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